Department of Immunology,
Graduate School of Biomedical and Health Sciences

2026.09.16

岩瀬輝さんらの論文がAm J Physiol Cell Physiolに掲載されました

2026年9月16日

瞬発力を生み出す「速筋」はどうやって保たれる? 筋肉の性質を決める仕組みを発見



CaMKIIγ/δというタンパク質が、成長後の筋肉でも速筋(タイプII)の性質を保つ役割を担っていることを明らかにしました。

私たちの筋肉は、細長い細胞である「筋線維」が集まってできています。筋線維には、瞬発的な力の発揮に適した「速筋(タイプII)」と、持続的な活動に適した「遅筋(タイプI)」があります。筋線維の性質は運動などによって変化しますが、大人になった後に速筋の性質がどう保たれるのかは、十分に分かっていませんでした。
本研究では、成体マウスの筋肉でCaMKIIγ/δをなくし、筋線維の変化を調べました。その結果、ふくらはぎにあるヒラメ筋では、筋肉の重さに明らかな変化がない一方、速筋の割合が減り、遅筋の割合が増えました。さらに、筋線維を種類ごとに取り出してタンパク質を詳しく調べると、速筋に分類される筋線維でも、遅筋に特徴的なタンパク質が増え、速筋に特徴的なタンパク質が減っていました。

これらの結果は、CaMKIIγ/δが、大人の筋肉でも速筋の性質を保つ役割を担っていることを示しています。今回の成果は、筋肉の量だけでは捉えられない「筋肉の性質」を理解し、運動や加齢、病気に伴う変化を調べるための基礎となります。

Iwase, H., Ichihashi, Y., Tsukahara, R., Kunieda, T., Maeda, Y., Uchida, Y., Yasuda, T., and Kitajima, Y. Endogenous calcium/calmodulin-dependent protein kinase II gamma and delta maintain Type II myofiber identity in adult mice. Am. J. Physiol. Cell Physiol. 331, C1128-C1144, 2026. doi: 10.1152/ajpcell.00464.2026