2024年11月29日
「（4-ヒドロキシ-3-ニトロフェニル）アセチル（NP）ハプテンに対する様々なアイソタイプの高親和性マウスモノクローナル抗体を作製するための包括的な方法」
要約： モノクローナル抗体技術は感染防御や疾患治療薬だけでなく様々な目的で基礎研究や臨床現場に大きく貢献してきました。しかしながら、抗原特異的な高親和性モノクローナル抗体を迅速かつ簡便に作製する方法はまだ報告されていません。本研究では、単一メモリーB細胞から抗原特異的モノクローナル抗体を迅速、簡便かつ低コストに作製するプロトコルを開発しました。この方法を用いて、NP-チキンガンマグロブリン(CGG)免疫したC57BL/6マウスから、NPに特異的な高親和性IgG1 モノクローナル抗体を6日間で樹立することが可能となりました。このモノクローナル抗体作製システムでは、IgG1を同じパラトープを持つ他のアイソタイプに柔軟に切り替えることができ、これによって血清中の抗原特異的抗体価や親和性成熟の絶対定量がはじめて可能となりました。さらに、機能的な五量体および二量体構造を保持したままIgMおよびIgAを作製するためのプロトコルも本研究において確立しました。これらの技術はヒトの抗原や病原体に対しても有効であり、研究と臨床の両方の現場におけるモノクローナル抗体開発の強力なツールとなります。
Yoshizato, R., Miura, M., Shitaoka, K., Matsuoka, Y., Higashiura, A., Yamamoto, A., Guo, Y., Azuma, H., Kawano, Y., Ohga, S., and Yasuda, T. Comprehensive method for producing high-affinity mouse monoclonal antibodies of various isotypes against (4-hydroxy-3-nitrophenyl)acetyl (NP) hapten. Heliyon, 10, e40837, 2024. /doi.org/10.1016/j.heliyon.2024.e40837
